バクテリアはどこが好き
前回、歯を磨く目的はバクテリアを減らすためとお話ししました。目的を明確にしたら次は、バクテリアはどこが好きかを知ってもらうと改善と予防が成立してきます。
ほとんどの方は、歯磨きは食べカスを取るための行為と思っていて、バクテリアを減らすための行為とは思わずに「歯」を磨いておられます。言葉では確かに「歯磨き」と言うので、皆さんは言葉通りに行っているということになります。しかし、バクテリアが好きなのは歯茎の境目なので、シャカシャカと「歯」のみを磨いていても残っています。そして増殖しながら毒素を出して病気が進行していきます。
私たちが磨き残しをお伝えすると「いやいやきちんと磨いてるよ!」となるわけですが、磨い「てる」と磨「けてる」には大きな違いがあります。
悪いことをするバクテリア(歯周病菌)は空気が嫌いなので、歯茎の境目を好んでどんどん侵入してきます。そして、バクテリア(歯周病菌)も生き物ですから、代謝物(おしっこやウンチのようなもの)を排出します。それが毒素となり、歯茎の内面がただれて(炎症)出血が起きます。さらに、なんとこのバクテリアは吸血鬼とも呼ばれ、血を餌にするのです!という事は、炎症が起きているこの場所はバクテリア(歯周病菌)にとって、最高な住み心地というわけです。ここからバクテリア(歯周病菌)が活性化していき、歯茎がどんどん歯から剥がれ、顎の骨を破壊していきます。
皆さんは血が出ると歯茎を傷つけたと思い、磨くのを避けてしまいませんか?このメカニズムを知ってもらい、血が出るところは炎症が進んでいるので、バクテリアを減らさなきゃ!と思って歯茎の境目を丁寧に磨き、磨「けてる」にしていきましょう。
歯科衛生士 長友 真貴子